G メーター
スマートフォンの加速度センサーを使って、車両にかかる加速度(G)をリアルタイム表示するウィジェットです。加減速(前後 G)と旋回(横 G)を 2 軸の円形 UI で視覚化します。本ページではキャリブレーション手順、バイクで使えない理由、推奨される取り付け方法までまとめます。
1.概要
G メーターは端末内蔵の 3 軸加速度センサーから車両 G を抽出し、円形のグリッド上にボールとトレイル線で描画します。中心が加速度ゼロ、外側に行くほど大きな G がかかっていることを示します。
正確な値を出すには、端末の取り付け角度を補正する「キャリブレーション」が必須です。停車中の長押し操作、または録画開始時の自動補正で行います。
記録した走行をデスクトップ版で再生・動画書き出しするときは、取り付け角度の小さなずれを自動で打ち消す「ゼロ点補正」が働きます(§6)。
v1.3.7 からは、ダッシュボードに G メーターを置かなくても、レコード詳細で表示できる G を記録できるようになりました(§3)。
2.表示内容
画面上に表示される要素は以下のとおりです。
| 中心原点 | 加速度ゼロ(等速直線走行または停車中) |
| ボール位置 | 現在の加速度ベクトルの方向と大きさ |
| トレイル線 | 原点からボールまでの線(向きの視認補助) |
| グリッド円 | 0.5 G 単位の補助円 |
| 合成 G 値 | 右下に √(gX² + gY²) の数値表示(リアルタイム値、過去最大値ではない) |
| ボール色 | 0.3 G を超えると primary → warning に段階変化 |
軸の対応
| X 軸(横 G) | 端末の左右 → 車両の旋回 G |
| Y 軸(前後 G) | 端末の上下 → 車両の加減速 G |
| Z 軸(重力) | キャリブレーションで自動除去 |
3.キャリブレーション
G メーターは取り付け角度(ダッシュボードの傾きやスマホホルダーの向き)に依存するため、使用前のキャリブレーションが必須です。補正方法は手動と自動の 2 通りがあります。
手動キャリブレーション(長押し)
- 停車中に G メーターウィジェットを長押し
- 直後の 10 サンプル(約 0.2 秒)の平均から重力ベクトルを取得
- 現在の重力方向が「真下」を指すよう回転行列を計算
- 補正行列を端末内に保存(次回起動時も有効)
長押しが反応するのは車速 0 km/h(ECU または GPS から取得)のときのみです。走行中に誤って長押ししても補正はかかりません。補正は端末の前後傾き(pitch)と左右傾き(roll)のみで、方位(yaw)は補正しません。縦向き・横向きのどちらでも使えますが(向きは自動で判別)、端末の上端または側面が車両の進行方向を正確に向くように固定してください。斜めに取り付けると横 G と前後 G が混ざります。
録画開始時の自動補正
ダッシュボードに G メーターを配置している場合、録画を開始した瞬間に同じキャリブレーションが自動で走ります。手動補正を忘れていても録画開始で更新されるため、毎回の手動操作は不要です。ただし車速 0 km/h のときだけ有効で、走り出してから録画を始めた場合はスキップされ、前回の補正値がそのまま使われます。結果は画面下部の通知で知らされます。
G メーターなしで G を記録する(v1.3.7〜)
ダッシュボードに G メーターを置かずに走った記録でも、あとからレコード詳細で G メーターを表示できます。画面のスペースを他のメーターに使いたいときや、Twin Meter など G メーターを置かないレイアウトで記録したいときに使います。
- 設定 › ダッシュボード設定 の「G を記録する(Gメーターなしでも)」を ON にする(初期値は OFF)
- 記録を始めると、ヘッダー右上(ECO ボタンの横)に G メーターのアイコンのボタンが出る。未校正の間はオレンジで、記録開始時に「G を校正していません」という案内も出ます
- 平らな場所で停車し、そのボタンを押す。校正が終わるとアイコンが緑になり、右下にチェックが付く
ボタンは車速 0 km/h のときだけ押せます(走行中はグレー表示)。走り出してから記録を始めた場合は、最初に停車したところで押してください。同じ記録の中で何度押し直しても構いません。
レコード詳細では、記録中に校正したところから先の G が表示されます。校正する前の区間は、取り付け角度が補正されていないため表示しません。押し直しても表示の起点は最初の校正のままです。
G メーターをダッシュボードに置いている場合は、この設定に関係なく従来どおりです(停車中に記録を始めると自動補正、停車中の長押しで手動補正)。
v1.3.8 以降に記録した走行では、モバイル版のレコード詳細で G メーターを表示できるのは「記録中に校正した記録」だけです(自動補正・手動補正・上のボタンのいずれか)。校正していない記録の G は、推定出力の出力補正(坂道の判定)にだけ使われます。それより前に記録した走行は、これまでどおり G のデータがあれば表示できます(v1.3.7 で校正した記録は、校正したところから先を表示)。デスクトップ版の再生・書き出しは従来どおり G を表示し、ゼロ点補正(§6)で中央に戻します。
4.バイクで使えない理由
スロット設定画面の説明にも記載がありますが、G メーターはバイクでは正しく機能しません。これはキャリブレーションのロジックが「端末と車体が常に同じ向き」を前提にしているためです。
バイクはコーナーで車体を傾ける(リーン)ため、横 G が「車体に対する横方向」ではなく「路面に対する斜め方向」として計測されます。結果、旋回時には重力成分が横 G 側に漏れ込み、純粋な遠心力だけを取り出せません。
四輪車のロール角は十分小さいため実用上は無視できますが、二輪では誤差が支配的になります。
5.詳細設定
Detail Settings タブで変更できるのは「メーター範囲(maxValue)」のみです。デフォルトは 1.5 G で、これは円の外縁が示す最大 G 値を表します。スポーツ走行などで値が振り切れる場合は引き上げ、街乗り中心で常に小さな値しか出ないようなら下げると視認性が上がります。
警告しきい値(0.3 G を超えるとボール色が変化)やスムージング係数は内部定数として固定されており、現状ユーザー側からは変更できません。
6.デスクトップ版でのゼロ点補正
キャリブレーションは「その瞬間の重力の向き」を基準にするため、補正した場所の路面が傾いていたり、その後ホルダーがわずかに動いたりすると、その差が一定のずれとして記録に残ります。実測では 3° 程度の傾き差で約 0.05 G、ボールが常に中心から少し寄った状態になります。日本の道路は路肩に向かって緩く下がっているため、左側通行では左寄りになる傾向があります。
デスクトップ版 v1.0.18 以降は、走行記録を再生・動画書き出しするときに記録全体の G の中央値をゼロ点として自動的に差し引き、メーターを中央に戻します。過去に記録した走行にもそのまま効きます。停車中の値ではなく記録全体を使うのは、停車ごとの値がその場所の路面の傾きで ±0.05 G ほどばらつくためです。
設定の「ダッシュボード」にある「G メーターゼロ点補正」で ON / OFF できます(初期値は ON)。サーキットの周回のように同じ向きのコーナーばかりの記録や、下り一辺倒の記録では中央値そのものが偏るので、実際の G を見たい場合は OFF にしてください。
7.Tips
- 初回使用時は必ずキャリブレーション(スマホを固定してから長押し)
- 取り付け角度を変えた / ホルダーを動かしたら再キャリブレーション
- 停車中専用:長押しも録画開始時の自動補正も、車速 0 km/h のときしか効きません
- G メーターを置かずに G を残したいときは、設定の「G を記録する(Gメーターなしでも)」を ON にして、記録中に停車してヘッダー右上のボタンで校正
- なるべく平らな場所で補正する。傾いた路面で補正すると、その分がずれとして残ります
- 右下の合成 G 値はリアルタイム値(過去最大値ではない)
- バイクには非推奨
8.よくある質問
キャリブレーションしたのにボールが原点から少しずれている
補正した場所の路面の傾きや、その後のホルダーの動きが原因です。平らな場所に完全に停車した状態で、もう一度長押しキャリブレーションしてください。0.05 G 程度の小さなずれは走行中の表示ではほとんど気になりませんが、デスクトップ版で再生・書き出しするときは自動的に中央へ戻されます(§6)。
コーナーで横 G が出ない / 前後 G に混じってしまう
端末が車両の進行方向に対して斜めに取り付けられている可能性があります。縦向きなら端末の上端、横向きなら側面が、車両前方を正確に向くようにホルダーの向きを直してください。
補正値を初期化したい
現状、アプリ内 UI からのリセット手段はありません。アプリデータをクリアするか、新しい取り付け位置で再度長押しキャリブレーションを行ってください。
レコード詳細で G メーターが選べない
v1.3.8 以降に記録した走行は、記録中に校正したものだけ G メーターを表示できます。G メーターを置かずに記録する場合は、§3 の「G メーターなしで G を記録する」の設定を ON にして、記録中に停車してボタンで校正してください。それより前の記録は、G のデータが残っていれば従来どおり選べます。v1.3.7 では以前の記録で G メーターが選べなくなっていましたが、v1.3.8 で修正しました。
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