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推定出力スロットと Virtual Dyno

OBD2 の燃料流量から、いま出ている馬力とトルクをリアルタイムに推定して表示するスロットです。走った後は Virtual Dyno で、その走行の出力カーブを見ることができます。どちらも無料で使えます。

公開 · 2026年9月8日·最終更新 · 2026年9月8日

1.概要

推定出力スロットは、エンジンが消費している燃料の量から「いま何馬力出ているか」を計算して表示します。シャーシダイナモのような計測器は使わず、OBD2 アダプターだけで動きます。

表示される値は「推定」です。標準の係数で計算した値には「未補正」のバッジが付きます。実走データで係数を補正すると(Premium)、バッジが消えてお使いの車に合った値になります。

走行記録を保存しておけば、後から Virtual Dyno(出力カーブ)で振り返ることができます。

2.表示内容

項目内容
POWER現在の推定出力(PS / HP / kW)
TORQUE現在の推定トルク(kgf・m / N・m / lb・ft)。回転数が 500rpm 未満のときは「--」になります
Maxセッション中の最大出力・最大トルクと、それが出た回転数。OBD の接続を切ると自動でリセットされます(スロット詳細設定から手動リセットも可能)
折れ線直近 15 秒の出力の推移(大サイズのスロットのみ)
  • 小さいスロットでは出力の数値だけを表示します。トルクや Max、折れ線は大きいスロットで表示されます。
  • 単位は「PS / kgf・m」「PS / N・m」「HP / lb・ft」「kW / N・m」のペアから選べます。初期値は言語設定に合わせて決まります(日本語は PS / kgf・m)。

3.計算方式

出力 [PS] = 燃料流量 [L/h] × 係数 k
トルク [kgf・m] = 716.2 × 出力 [PS] ÷ 回転数 [rpm]

係数 k の標準値は、燃料の密度・発熱量・エンジンの平均的な熱効率から求めた値で、ガソリン車は約 3.7、ディーゼル車は約 5.4(PS あたり L/h)です。燃料種別は燃費設定に従います。

燃料流量は燃費スロットと同じ経路で取得します。ECU が燃料流量(PID 0x5E)を返す車はその値を、返さない車は MAF(吸入空気量)から、MAF も無い車は MAP・回転数・吸気温・排気量から推定します(Speed-Density)。

物理的にあり得ない値(排気量 1cc あたり 0.5PS を超える瞬間値)は欠損として扱い、ピークや折れ線に残しません。

4.Virtual Dyno(走行記録の出力カーブ)

走行記録の詳細画面で、地図ブロックの左上にある Route ⇄ Dyno を切り替えると、その走行の「回転数 vs 出力・トルク」のカーブが表示されます。

全開加速だけを拾うのではなく、走行データ全体を解析して回転数ごとの上側の包絡線を描きます。ピークの出力・トルクと発生回転数が注記されます。

チャート上の値も推定出力と同じ係数 k を使います。補正前は「未補正」のバッジが付きます。

5.出力補正(Premium)

Virtual Dyno の右下にある「この走行で補正する」をタップすると、その走行の加速データから係数 k を測り直します。走行中の操作は不要で、普段どおり記録した走行をあとから解析します。

解析には車重が必要です。車両プロフィールの「出力補正用の車両情報」に、車検証の車両重量・乗員・荷物・変速機の種類(MT / AT / CVT)を入力してください。

加速したときに車が実際にした仕事(車速の変化と車重から計算)と、そのとき消費した燃料を突き合わせて、標準の何倍かを求めます。結果は「×0.88 / ばらつき ±11% / 通常加速ベース・勾配確認済み」のような形で表示され、「適用」すると推定出力と Virtual Dyno の両方に反映されます。

加速度センサーの記録があれば勾配を判定して坂道のデータを除外します(G メータースロットを置いていなくても、v1.3.4 以降の記録には自動で入ります)。それ以前の記録は「勾配未確認」として、より多くの加速データを必要とします。

精度を上げるコツ:平坦な道で、40 → 80km/h くらいの加速が数回入っている走行を使ってください。パーシャル(軽い加速)だけの走行では係数が低めに出ることがあります。

補正は車両プロフィールごとに保存されます。標準に戻すにはスロット詳細設定の「補正をリセット」を使ってください。

推定出力スロットと Virtual Dyno は無料です。実走データによる出力補正のみ Premium の機能です。

6.精度と注意点

  • 推定値は平均的なエンジンの熱効率を前提にしています。同じ車でも負荷(アクセル開度)やエアコンの使用で数 % 変わります。
  • Speed-Density で燃料流量を推定する車(燃料流量・MAF のどちらも返さない車)では、燃費設定の排気量と体積効率が結果に直結します。排気量が初期値(2000cc)のままだと大きくずれるので、必ず実車の値を設定してください。
  • ディーゼル車では燃料種別を「ディーゼル」にしてください。ガソリンのままだと低めに出ます。

7.デスクトップ版での表示

デスクトップ版 v1.0.16 以降では、再生画面とオーバーレイ書き出しで推定出力スロットを使えます。走行記録の詳細画面には Virtual Dyno もあります。

モバイル版 v1.3.4 以降から同期した記録には、モバイル側で補正した係数が含まれます。デスクトップ版では「補正済み」と表示されます(デスクトップ版で補正を行うことはできません)。

ルート動画の書き出し(デスクトップ版)について →

8.よくある質問

カタログの馬力と違います

推定値は燃料の消費量から求めた「いま出ている出力」で、カタログ値(最高出力)とは測り方が違います。補正を行うと、多くの車でカタログ値に近い桁感になります。

無料で使えますか?

推定出力スロットと Virtual Dyno は無料です。実走データによる出力補正は Premium の機能です。

Premium をやめると補正はどうなりますか?

標準の係数に戻り「未補正」の表示になります。補正データは保持されるので、再開すると元に戻ります。

過去の走行記録でも Virtual Dyno は見られますか?

見られます。ただし v1.3.4 より前の記録には加速度センサーのデータが無いため、出力補正では「勾配未確認」として扱われます。

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